【高校 政治経済03】民主主義について基礎から解説

今回は、現代政治の根底となっている「民主主義」について解説します。今後法学部などに進学する人にとっては大学で最低でも3年くらいはこの話を聞かされるでしょう。そのくらいまで「民主主義」は政治学の中では重要な概念となるわけです。今回もかなり詳しいところまで解説しますので、わからないな、と思ったら読み飛ばしたりしながら読み進めましょう。

民主主義の意義

民主主義とはどのような政治方式でしょうか。民主主義とは、簡単にいうと、構成員全員が政治に関われる仕組みを持った政治方式といえます。それは具体的にいうならば「政治権力を国民の意思に基づいて使用される政治方式」であるといえます。

そもそも政治権力とはどのようなものでしょうか。政治には「権力」が必要となります。この一文だけでは、それならば平和な政治を行うことはできないだろうと、言われるかもしれません。ただ次のような例を考えてみましょう。

ある平和なAという国があります。その国では、憲法で明確に殺人が禁止されていました。しかしある日、とあるカップルが喧嘩になってしまい、BさんがCさんを殺害してしまいました。この時「権力」がこの国になければ、Bさんを刑務所に入れることはできませんし、さらにいうと死刑にもできません。そう、この国には「政治権力」がないのに民主主義をしている、ある意味パラドックスを持っている国なのです。

政治権力ーもっと端的にいえば「権力」を使用することは、マイナスなイメージを持たれる方が多いでしょう。しかし、「権力」とはうまく使用することができれば、政治をしていく上で非常に有用な解決手段となります。そもそも「民主主義」とは、全員が同じルールを守るから「民主主義」が成立すると言えるのです。みんなで決めたことにはみんなで守らなければならない、それに従わない者を排除することこそ、民主主義の裏の意味なのです。

さて倫理的な話をしすぎました。ここからはもっと端的に民主主義について考えていくことにします。民主主義の構成員を「国民」と言います。国民は「憲法制定能力」という、憲法を作る権力を保有していると考えられます。ここでは先ほどまでいいだけ述べた「政治権力」とは異なる「権力」であることに注意してください。また「国民」は基本的人権の一環として、「参政権」という政治に参加する「権利」を所有していると考えられます。

民主主義の課題

民主主義はこれまでの様々な政治方式よりももっとも良い政治方式であることに、疑いはないでしょう。されど民主主義にはいくつかの課題も存在します。その課題について整理していきましょう。

一つ目は、「意見の多元性」です。市民全てが異なる背景や価値観を持っているため、全ての意見を政策に反映させ、全ての市民を満足させることは難しいことが現状です。この問題に関しては19世紀フランスの思想家ドックビルやイギリスのミルが指摘しています。そのような状況を「多数者の専制」と定義して批判しました。

二つ目の課題は、「政治参加度の低下」です。投票率の低下や、市民の政治への無関心などが具体的な問題として出てきます。政治参加度の高い国というのは概して、政治的に不安的な国ーつまりいわゆる「平和」とは言い難い国となる傾向があるため、平和という面だけで考えるならばこれに越したことはありません。ただ、これは一歩間違えれば「ファシズム」につながる可能性があります。

政治関心が低い1930年代ドイツにおいて、ヒトラーがメディアを使用して大々的に自民族の優越性などを訴えて、独裁政権へと走っていった歴史があります。このようなことを「ファシズム」と言い、これを防ぐためには常日頃から政治関心を持っておくことが重要となります。

三つ目の課題は、「ポピュリズムの台頭」です。民主主義では、市民の選好に基づいて政策が決定されるため、一時的な感情や流行に基づいた政策が優先されることがあります。これは長期的な視点で最善の政策を採用するという観点からは問題となります。

これらの課題を解決するためには、市民一人一人が政治に参加し、自身の意見を積極的に表明すること、そして長期的な視野で政策を考える能力を養うことが求められます。

民主政治における配慮

民主主義における政策決定過程には、市民全員が参加し、その結果を受け入れるためにいくつかの重要な要素が必要です。

まず、政策決定の過程は公平かつ透明であるべきです。これは、市民が投票により選ばれた代表者が、市民の意志を反映した政策を作り出す過程が、全ての市民に開かれているという意味です。この透明性は、政治的な決定が市民の目に見える形で行われ、市民が政策の作成や実施について知る機会を持つことを保証します。また、公平性は、全ての市民が等しく政策決定過程に参加できることを意味します。これにより、特定の市民や集団が他の市民よりも優遇されることなく、全ての市民が平等に意見を表明し、政策に影響を与えることができます。

次に、民主政治では、少数派の意見も尊重し、保護することが重要です。多数決が支配する民主主義では、少数派の意見や権利が無視される可能性があります。そのため、少数派の権利を保護するメカニズムが必要です。これは、「マイノリティの権利」とも呼ばれ、これにより、多数派による「多数の専制」を防ぎ、多様な意見が尊重される社会を維持します。具体的には、憲法や法律によって基本的人権が保障され、裁判所がその保護に努めることが求められます。

さらに、市民一人一人が意思決定過程に参加するためには、適切な教育や情報提供が必要です。市民が自分の意見を形成し、それを表現できるようにするために、政治教育やメディアの自由が保障されるべきです。これは、市民が情報に基づいて自己の意見を形成し、それを自由に表現できることを保証するもので、これにより市民全体が政策決定過程に参加し、自己の意志を反映することが可能となります。

以上のような配慮が行われることで、民主政治は市民全体の参加と支持を得ることができ、公正で平等な社会が形成されます。これらの要素は、民主主義の本質をなすものであり、これらが欠けると民主主義の価値は脅かされます。したがって、これらの要素を理解し、実践することは、民主主義を深く理解し、それを維持するために不可欠です。

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