【高校 政治経済12】国会について詳しく解説

政治経済(高校)

前回までは、人権について扱ってきました。人権とは憲法によって規定されているもので、政治経済の一番最初で扱った通り、我々国民はどのように権利を享受するかといいますと、憲法を受けて成立される法律により享受することができます(=法の支配の関係性)。

その法律を作っているのが、日本では国会です。というわけでトップダウン方式で国会について扱っていきましょう。

日本の政治機構としての「国会」

日本の政治機構は「三権分立制」を採用しています。つまり「立法」「行政」「司法」を別機関に分ける必要性があります。そのうち「立法」を担当する機関が、「国会」となるわけです。

この話を少しだけ深掘りします。このあと出てくるわけですが、「行政」を担当しているのが内閣、「司法」を担当しているのが裁判所になります。これらはお互いに権力を分かち、管理し合っています。これが俗にいう「抑制と均衡」です。詳しくは以下の記事に掲載しています。

もう少しこの「三権分立」についての解像度を高めておきましょう。日本は国民主権を採用していることはもう言うまでもないと思います。そのため政治の行先を決めるのは、根源的には日本国民1人1人となるわけです。それを行使するために毎回毎回集まっているようでは、国家の運営に収集がつかなくなってしまいます。そのため、代弁者を立てることで解決しました。その代弁者のことを「議員」といいます。その会議のことを「議会」ー特に日本の場合は「国会」といいます。

国会の地位と構成

国会の「地位」ー位置付け

国会についての根拠は43条にあり、それによると「全国民を代表する選挙された議員」で構成されなければならないとされています。支持団体とかを代表している人間では無いと言うことです。そして国民の代表であることを受けて、次のような特権があります。

・歳費について(49条):給料を国からもらえる。

・不逮捕特権(50条):国会の会期中は(原則として)逮捕されない。

・免責特権(51条):国会での発言は、外では責任に問われない。

これらは憲法で保障されている話ですから、昨日今日で変更ということはできません。重要だからこそ、ルールもすぐに変わることのないよう工夫されているわけです。

国会の「構成」ーかたち

ここからは国会のソフトウェア的な話ではなく、ハードウェア(=形づくりとしてどのようになっているか)を説明していきます。

日本の国会は衆議院と参議院の2つの議院から成り立っており、「二院制」を採用しています。衆議院は465名から、参議院は245名からなり、いずれの議員も国民の直接選挙により選ばれます。基本的に持つ機能は同じで、両方とも立法機能と行政がしっかり仕事をしているかを監視する監査機能を有しています。そして何か決め事をする場合は、両議院の意見の合致が必要になります。

しかし衆議院はいくつかの重要な面で優越性を持っていて、これを「衆議院の優越」と呼びます。その一つが予算案の決定です。国の予算案は、まず衆議院で審議され、多数決により可決されます。その後、参議院で審議されますが、参議院で否決されても、衆議院が再び同じ予算案を可決すれば、それが国の予算となります。つまり、衆議院の決議が最終的に優先されるのです。

また、条約の批准や、内閣の信任決議についても、衆議院の決議が優先されます。これらの事項は国の重要な政策を左右するため、国民の意志を直接反映する衆議院の決議が優越するという原則が採用されています。

さらに、衆議院の任期は4年で、それが途中で解散されることもありますが、解散すると再選挙が行われます。一方、参議院の任期は6年で、選挙は3年ごとに半数が行われます。したがって、衆議院はより頻繁に選挙が行われ、国民の意志をより直接反映するとされています。

ところで国会には3つの種類があります。通常国会・特別国会・臨時国会の3つがあります。まず「通常国会」は毎年1回開かれ、基本的には1月から6月に開かれます。「特別国会」は衆議院の解散総選挙後30日以内に開かれる国会で、内閣総理大臣指名選挙が行われます。そして衆参いずれかの議員のうち4分の1の要求があったときに開かれるのが「特別国会」です。

国会の権限

ここまでも断片的には国会の権限について説明してきましたが、ここで改めて国家の権限について整理しておきましょう。根源的には憲法によって日本の国会は、憲法によって「国権の最高機関」および「唯一の立法機関」と位置づけられています。この地位に基づき、国会には多岐にわたる重要な権限が与えられています。

先の2つの言葉の通り、国会は立法権を持ちます。これは法律を制定・改正・廃止する権限で、国の政策や制度を法的に形作る基本的な権限です。この立法過程では、議員による法案提出や内閣からの法案提出があり、両院での審議を経て法律として成立します。

似たものとして、憲法改正の発議権があります。憲法改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、その後に国民投票で過半数の賛成を得て成立します。注意が必要なのは憲法改正に関しては、国会だけで完結するわけではなく、いわゆる選挙をしなければ、成立することはない点です。ついでに言うと、通常の法律などは過半数で成立しますが、憲法の場合は3分の2必要になる点です。

次に、法令制定と似たような議案として「予算審議権」と「条約承認権」があります。国の予算は内閣が作成しますが、その予算案を審議し、承認するのは国会の役割です。特に衆議院には予算審議における優越性が認められており、参議院で否決されても衆議院で再可決されれば成立します。また、条約承認権は内閣が外国と締結した条約は、国会の承認を得なければ効力を持たないので、国会は条約を承認することが必要になります。

これらをするためには、国会議員は情報収集をする必要性があります。というわけで「国政調査権」です。これは国政に関する調査を行い、証人の出頭や証言、記録の提出を要求できる権限です。またこれまでは行政を監視する仕組みについて説明してきましたが、司法を監視するための仕組みとしては弾劾裁判所の設置権があります。裁判官の弾劾に関する裁判を行うための機関を設置する権限で、司法の公正さを担保するための重要な監視機能です。

最後に、内閣総理大臣の指名権があります。国会は、国会議員の中から内閣総理大臣を指名する権限を持ち、これが議院内閣制の基盤となっています。両院で異なる指名があった場合は、衆議院の議決が優先されます。

以上のように、国会の権限は立法、財政、外交、人事など多岐にわたり、三権分立の中で行政・司法をチェックする重要な役割を担っています。これらの権限を通じて、国会は国民の意思を政治に反映させる重要な機関として機能しているわけです。

国会の運営課題

国会の運営には、いくつかの重要な課題が存在します。それらを理解することは、日本の民主主義の健全な発展のために不可欠です。

国会審議の形骸化

近年、国会審議の形骸化が指摘されています。与党が多数を占める状況では、法案審議が実質的な議論よりも単なる手続きになってしまうことがあります。また、質疑応答が事前に用意された原稿の読み上げに終始し、真の討論が行われないケースも見られます。

このような状況は、国会本来の機能である「熟議」を損なう恐れがあります。国会は単に法案を通過させる場ではなく、様々な立場や意見を持つ議員が議論を交わし、より良い政策を形成する場であるべきです。

委員会中心主義の問題

日本の国会では、実質的な審議は各委員会で行われる「委員会中心主義」が採用されています。この制度自体は効率的な審議を可能にする一方で、委員会での議論が本会議に十分反映されないという課題があります。

また、委員会の数や構成が時代の変化に対応しきれていないという指摘もあります。新たな社会課題に対応するためには、委員会制度の柔軟な見直しが必要とされています。

会期制の制約

国会は定められた会期内に活動するという制約があります。常会は150日、臨時会は必要に応じて召集され、特別会は特定の目的のために開かれます。この会期制には、計画的な審議を促す利点がある一方で、複雑な問題に対して十分な審議時間を確保できないという課題もあります。

特に、予算審議や重要法案の審議が会期末に集中すると、「審議の空洞化」が生じる恐れがあります。会期末の時間的制約から、十分な審議がなされないまま採決が行われることがあるのです。

国会と内閣の関係

議院内閣制の下では、与党が国会の多数を占め、同時に内閣を構成するため、国会による内閣の実効的なチェック機能が弱まる傾向があります。本来、国会は行政監視機能を持ち、内閣の活動を監視・統制する役割を担っていますが、与党議員が内閣批判を控える「一体化現象」が見られることがあります。

この課題に対処するためには、野党の役割が重要になります。建設的な批判と対案の提示を通じて、国会の監視機能を活性化させることが求められています。

情報公開と透明性

国会審議の透明性確保も重要な課題です。現在、本会議や委員会の審議はテレビ中継やインターネット配信されていますが、国民にとってわかりやすい形での情報提供や、政策決定過程の透明化にはまだ改善の余地があります。

特に、「密室政治」と批判される与党内や省庁との事前協議の過程を、どのように可視化していくかが課題となっています。

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