このシリーズは大学1年生向けに「ミクロ経済学」という学問はどのような学問か、というところから詳しく説明していくシリーズです。
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経済学を営む場所
経済学という学問は、意外と身近だけど遠い場所にありそう、というのが正直な感想だと思います。ただ経済と関わりなくして、現代社会で生活していくことは困難です(やるには無人島か人里離れた山中にでも行って自給自足生活するほかありません)。
ただし経済学はこれでも学問ですから、経済学はどのような場所で行われるか、ということを定義しなければなりません。ということでそのような場所を定義しました。「市場」と言います。
「市場」とは何か
市場とは、ある財・サービスをめぐって売り手と買い手が出会う場所、と定義されます。売り手と買い手が出会う場所、というくらいですからそこでは取引が営まれます。
経済学でよく具体例に出されるのが、食品ですね(ちなみに著名な教科書である「マンキュー経済学」シリーズではアイスクリームが嫌というほど出てきます)。その時に売り手と買い手は生産者・消費者と同義となります。
「競争」とは何か
「市場」という言葉を定義しました。続いて「競争」という言葉を定義しなければなりません。というのも「市場」で行われていることは「競争」です。ということで、この後の説明もあるので「競争」について定義しなければなりません。
ここでさす「競争」とは、一般的な競争と同義となります。しかしながら、「競争」を経済学的な視点で捉えることが必要となります。市場において「競争」することは、価格で競い合うことになり、経済学とはその価格をある程度理論的に推測することが必要となります。
したがって経済学的には理想的な市場というものが定まってきます。そのような市場のことを「競争市場」と言います。どのような市場かというと、多数の売り手と買い手が存在して、1人の売り手と買い手によって市場価格が上下する可能性を排除できる市場のことです。
つまり具体的には、今話題になっているフジテレビの株式市場は、旧村上ファンド系が大株主となっていまして、変な話急に全て売るなんてなったら、市場価格が大幅に動くことになりますから、「競争市場」とは言えない状況になっています。
「競争市場」ではない場合の補足
競争市場ではない場合、だいたい「独占企業」という企業が存在します。よく教科書的にはケーブルテレビとかが具体例に挙げられますが、もっとわかりやすいのはCS放送です。CS放送は現在はスカパーと契約しなければ、どこの局であったとしても視聴できないものになっています(より専門的な話をするならば放送衛星をスカパーが管理しているためです)。
このように競争相手がいない企業のことを「独占企業」と言います。ただこのような独占状態は、経済学の理論では基本的に説明することができないため、基本的には経済学の授業や書籍からはこのような市場を除外します。
演習問題
- 経済学における「競争」とは何か説明せよ。
- 「市場」と「競争市場」の違いは何か説明せよ。
- 「独占企業」が存在する市場とはどのような市場であるか。
競争市場に関する基礎知識ー「需要」と「供給」についてー
簡単にいうと、ある財・サービスについて「買い手がほしい量」のことを「需要量」と言います。また「買い手」のことを需要とも言ったりします。これの反対が「供給量」もしくは「供給」ということになります。ここからはまず「需要」に関する基礎的な概念について説明していきます。
需要とは何か?
早速ですが、ここで「需要量」を定義し直しましょう。需要量とは「買い手が買いたいと思い、かつ買うことができる量」のことを「需要量」と言います。ほしいほしいと思っていても在庫切れならば、そのようなニーズは「需要量」とは言わないので注意が必要になります(注:最初の定義ではこの場合を想定していない定義なので注意)。
この需要量には一定の法則があるとされています。そのような法則を「需要法則」と言います。教科書的にこの法則を整理してみましょう。
- (一般的に)財の価格が上昇した場合、その需要量は低下する。
- (一般的に)財の価格が下降した場合、その需要量は低下する。
この法則に関しては、よく考えてみると非常に自明な法則になっています。もうこれは自分に当てはめて考えてみてください。200円のハンバーガーなら買うけど、それが400円のハンバーガーだったらやめるかな、という経験があると思います。それを法則っぽくまとめるとこのようになります。
供給とは何か?
需要があれば、供給もあるということで、反対に売り手側の基本的な構造について押さえましょう。先ほどと同じくまず、辞書的な意味から考えましょう。辞書的に考えるならば、供給量とは「売り手が売りたいと思いかつ実際に売ることができる量」のこと、そして売り手は「供給」とも称されます。非常に淡白な説明ですが、需要の意味が理解できていればこれでも十分すぎる量解説できていると思います。
また供給量にも一定の法則があり、この法則を先ほどと同じルールで「供給法則」といいます。
- (一般的に)供給量が上昇した場合、財の価格は低下する。
- (一般的に)供給量が低下した場合、財の価格は上昇する。
この法則については直感的にわかりやすい具体例があります。カードゲームです。あるカードパックを購入して必ず入っているカードと、5個のうち1つしか入っていないカードでは後者の方が価格が上昇することは明らかです。
演習問題
- 「需要量」と「供給量」について互いを関連づけながら説明せよ。
- 「需要法則」を具体例を用いながら説明せよ。
- 「供給法則」を具体例を用いながら説明せよ。


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